生成AIの浸透は、私たちの学びや思考のあり方に大きな変化をもたらしています。言葉の生成にとどまらず、画像や音楽など多様な表現の創出を通じて、テクノロジーは人間の知的活動と深く結びつき、新たな創造や探究の形を生み出しています。こうした変化の中で問われているのは、技術の導入や効率化にとどまらず、人とデジタルがいかに響き合い、共に新しい知を創り出していくかということです。
本年会のテーマ「未来の航路を照らす学びとデジタルのレゾナンス」は、まさにその問いに向き合うものです。AIやデータ、ネットワーク技術の発展は、教育の在り方にも多様な影響を与えていますが、どれほど環境が変わっても、「人が学ぶ」という営みの本質は変わりません。むしろ、テクノロジーの進展によって、学びの本質がいかに拡張され、深められていくのかを見極めることこそ、今の時代における教育情報学の重要な課題といえるでしょう。
「レゾナンス(共鳴)」という言葉が示すように、教育の現場には多様な波が存在します。理論と実践、研究と教育、技術と人間といったように、それぞれの立場や経験、方法が響き合うことで、新たな知の流れが生まれることが期待できます。本年会では、その共鳴の場を通して、教育の未来を見据え、次の航路を描くための議論を深めてまいりたいと考えております。
本会の開催地である鳴門は、潮が出会い、渦を巻きながら新たな流れを生み出す海として知られています。この地において、多様な知と実践が交わり、新しい学びの潮流が生まれることを願っております。多くの皆様のご参加とご発表を、心よりお待ち申し上げます。
第42回年会実行委員長 阪東 哲也(鳴門教育大学)