各研究会が担当する課題研究の概要を掲載します。
■教育資料研究会
テーマ:学びの可能性を高め教育の質を向上させる教育資料のあり方
【コーディネータ】
成瀬喜則(富山大学)、齋藤陽子(岐阜女子大学)
【趣旨】
テクノロジーの発達によって教育は大きく変化しており、児童生徒はデジタル技術を効果的に活用しながら、互いに学び合い、成長していく姿が見られるようになっている。教師も、生成AIやデジタルデータをどのように活用して教育に生かしていくかを考えながら、これまでの「学び」と未来の「学びの可能性」を意識しながら教育方法について考えていくことが必要であり、教育に関する積極的な姿勢は教育資料のあり方にも影響を与えていくと考えられる。
本研究会では、学びと教育資料の関係について、理論と実践の両面から研究を行っていきたい。できるだけ幅広い分野の発表を歓迎したい。
■特別支援教育AT研究会
テーマ:多様なニーズを支える ATと共に描く学びの未来地図
【コーディネータ】
小川修史(兵庫教育大学)、新谷洋介(金沢星稜大学)
【趣旨】
生成AIの登場は、特別な支援を必要とする子どもたちの学びにも大きな変化をもたらしています。AIによる文章や画像の生成、音声や映像のリアルタイム変換といった技術は、子どもたち一人ひとりの特性や表現の可能性を広げ、より柔軟で創造的な支援を実現しつつあります。AT(Assistive Technology)は、従来の「支援のための道具」から、学びを共に創るパートナーへと変化し、生成AIとの連携によって、その役割はさらに拡張されています。 本分科会では、生成AIを含めたATと、教育現場における実践がどのように響き合い、多様なニーズに応える学びの未来を形づくっていくのかを探ります。AIを活用した個別最適な支援や教材生成、アクセシビリティの向上、学習意欲を引き出す支援など、最新の技術動向と実践研究を共有しながら、人とデジタルが共に奏でる新しい教育のかたちを考えます。そして、ATが「自らの航路を描くための灯」となる事を目指し、本研究会は可能性を模索する場にしたいと考えています。
■ プログラミング教育研究会
テーマ:次期学習指導要領を踏まえたプログラミング教育の在り方
【コーディネータ】
小熊良一(群馬大学)、横山駿也(飯能市立飯能第一中学校)
【趣旨】
本研究会はこれまで、プログラミング教育の実践知の収集とエビデンスの確立に尽力してまいりました。これらを踏まえ、我々が次に目指すべきは、次期学習指導要領を見据えたプログラミング教育の新たな価値創出です。情報活用能力の育成から教科横断的な学びへの昇華まで、プログラミング教育はどうあるべきか。基礎研究・実践研究を問わず意欲的な提案を募集し、次代の教育課程におけるプログラミング教育のこれからの方向性を本会から発信していきたいと考えています。
■ 教育技術研究会
テーマ:テクノロジーの進展と教育技術の活用
【コーディネータ】
佐藤典子(甲子園大学)、治京玉記(大阪人間科学大学)
【趣旨】
近年、急速にテクノロジーが進展しています。急速なテクノロジーの進展は、教育の現場において、理論と実践、研究と教育、技術と人間が互いに影響することにつながり、新たな知の流れが生まれることが期待されています。AIやデータ、ネットワーク技術を教育技術としてどのように活用していくのか、何が課題なのか、課題の解消を図るためにはどのようなことが必要か、教育技術に注目して討議していきたいと考えております。学校での学びがどのような考えのもとで、どのようなものになるべきか、幅広い校種、教科における授業技術、教材開発などについて検討し、共鳴の場となり、新しい学びの潮流につながっていくことを願っております。
■ グローバル教育研究会
テーマ:グローバル教育における国際連携と新たな知の創出
-近未来社会を見据えたグローバル人材育成と生成AIの活用の可能性-
【コーディネータ】
清水義彦(富山県立大学)、陳那森(関西国際大学)
【趣旨】
グローバル教育研究会(旧:国際交流研究会)は、
1. グローバル人材育成および教育手法の研究とその実践
2. 日本国内における留学生教育や海外からの人材育成
3. JSEIにおける海外との学術交流やその推進に伴う諸課題の解決策の検討
を進めている。国際共同プロジェクトを視野に入れ、国内外の教育機関、研究機関、企業との連携を重視するとともに、各分野の専門家が協働して課題に取り組むためのプラットフォーム構築を目指している。本研究会では、デジタル技術と人間性が「響き合い」、国際的な課題解決や新しい知を「共に創り出す」ための方策を探る視点を取り入れ、国内外のグローバル人材育成の研究、教育実践、連携の在り方を多角的に検討する。ひとり一人の若者に適した効果的な学びの環境を提供し、未来のグローバルリーダーや専門家に必要なスキル・知識・マインドが獲得できる環境整備、手段を模索する。例年通り、海外からの発表も可能なオンライン開催を予定しており、国や地域の枠を超えた活発な議論を通して、持続可能な国際交流と教育革新の実現を目指す。
■ ICT活用研究会
テーマ:ICT の力で拓く主体的・対話的で深い学びの未来
-人とデジタルが響きあう学びの創造-
【コーディネータ】
石出勉(東京女子体育大学)、鍋谷正尉(渋谷区立神南小学校)
【趣旨】
生成AIやデジタル技術が学びの現場に深く浸透する中で、単なるICT活用にとどまらず、人とテクノロジーの共鳴(レゾナンス)を通して、新しい知の創出と学びの在り方を探求していくことが求められます。ICTを基盤とした教育の実践と開発を通して、「主体的・対話的で深い学び」を支える環境や教材、カリキュラムの在り方を議論・検討を行います。AIやデータ活用、プログラミング教育、STEAM学習、デジタルシティズンシップなどの多様な取り組みを通して、これからの教育の在り方について検討することを目的とします。以下関連するテーマを示す。
1.多様性を考慮して全ての学習者に響く教育支援システム・教材の開発
2.1人1台の環境を活かした学校・授業デザインの研究
3.ICT活用を促進する学習環境と教材開発
4.バイブコーディングによる個別最適化された教材の開発
5.プログラミング的思考、創造力、AIリテラシーをはぐくむ教育実践
6.PBL・STEAMによるライフスキル(非認知能力)育成のカリキュラム開発
7.デジタルシティズンシップ教育の推進
8.生涯学習におけるICT活用
9.時間と空間を超える遠隔教育システムの開発と活用
■ IR活用研究会
テーマ:AIとともに歩むIR:多様な学内活動と響き合うデータ活用の未来
【コーディネータ】
白鳥成彦(東京都市大学)、今井匠太朗(東京科学大学)
【趣旨】
生成AIの発展により、専門的なスキルがなくても高度なデータ分析が可能となり、大学内の多様な活動におけるエビデンス活用の可能性が大きく広がっています。本研究会では、教学・学生支援・キャリア支援・FD・研究支援など、大学の各機能とIR活動がAIを介してどのように“共鳴”しうるのかを探ります。AIがもたらす分析の民主化を踏まえ、IRはどのように意思決定を支え、組織横断的な知の循環を生み出すのか。IRの新たな役割と大学運営の未来を展望します。
■「AIと教育」研究会
テーマ:未来につなぐ AIとウェルビーイング
【コーディネータ】
加納寛子(山形大学)、野末俊比古(青山学院大学)
【趣旨】
本課題研究は「未来につなぐAIとウェルビーイング」をテーマとし、AIを学習者・教員・学校組織・地域の幸福と成長につなげる道筋を探究します。初等中等から高等・社会教育まで、アクセシビリティ、孤立・孤独の緩和、自己調整学習、教員業務の質と負担、評価・測定、支援技術、心理的サポート等を対象に、成功例のみならず課題や失敗も共有し、再現可能な指標・手順・運用プロトコルの共通基盤化をめざします。また、幸福感や学習の自己調整、孤立・孤独の緩和、働きがい・学びがい、アクセシビリティ向上に有益なAI活用方法など、多様なアウトカムを対象に、データドリブン の評価指標設計、質的・量的・混合研究法、ELSI(倫理・法・社会)とデータガバナンスなど統合的に議論します。